カフェラテがぬるい

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 急な話題の転化に僕は少し戸惑う。  ナッスンが死んだのは、もう2年も前のことだ。 「あぁ、死んだな。でも、それは2年も前の話だぞ。今更どうした?」  僕はどう返していいものか少し考えたが、話題の提供が遅すぎることに一応触れておいた。 「らしいな。でも俺、最近知ったんだよ。俺はそうでもなかったけど、お前、小学生の頃よくナッスンと遊んでた気もしたしさ、今更かもしれないけど、お悔やみ申し上げようかな、と思って」  どうやら知らなかったらしい。付き合いの無い子供の頃の友人の訃報なんて、確かに誰からも届かないだろうし、そんなものなのかもしれない。 「いや俺にお悔やみ申し上げられても困る。それに中学くらいからは何となく疎遠だったし、そんなに何も感じちゃいないよ」  ナッスンには悪いが、正直なところ彼が死んでも、感傷的な気分になることはなかった。昔の友人なんてそんなものなのかもしれない。  しかし古い話でもあり、あまり楽しい話題でもない。できれば僕は違う話題に変えたかった。
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