カフェラテがぬるい

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「あんまり会ってなかったのか? 結構仲が良かった印象なんだが」  僕の思いとは裏腹に、彼はやけにしつこく聞いてくる。彼の方こそ、ナッスンとはあまり親しくなかった以上、どうでもいいことのような気もするのだが。  できればナッスンの話はもうしたくはなかったけど、彼は興味があるようなので渋々返答をする。 「いや、そういえば死ぬ間際に一度会ったな」  あまり触れたくはない話題ではある。しかし事実として、僕は死の直前のナッスンと会っていたので、正直にそう言う。 「マジか。どんな感じだった? ナッスン、自殺だったんだよな? 何か変わっていたところとか、あった?」  質問を受け、少し(いら)立つ。  デリカシーを全く感じない。仲が良かったと記憶しているのなら、少しは痛み入ってほしい。  しかし、逆の立場であれば僕も容赦なく尋ねているかもしれない。他人の感傷よりも自分の興味を優先してしまう悪癖は、僕にも似たような部分はあるし、気持ちはわからなくもない。  彼には良くも悪くも他人に半歩踏み込む傾向がある。だからこそ僕達は気が合うのだと思うし、それは昔から変わっていない。やはり彼と僕は少し似ている。そう考えると、何だか少し安心した。
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