2.コラボ企画

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「未央さん、突然きてごめんなさい。きょうって仕事何時までですか?」 それは亮介であった。立ってるだけで神々しいイケメンが訪ねてきたので、スタッフや生徒が固唾を飲んで見守っている。なんの罰ですか? 「ぐ……郡司くん、ど……どうしたの? 仕事はきょうは3時までだけど……」 未央は周りからの痛烈な視線を感じながら、そつなく会話をするのが精一杯だった。 「あと2時間か……そのあと予定ありますか?」 「いや、ないけど……」 「じゃあ、3時過ぎに迎えにきますね。一緒に行ってほしいところがあるので」 あとで迎えに?  じゃ、と軽く手を振って亮介は隣のお店に入っていった。 キャーキャー周りで騒ぐ声がまったく耳に入らないほど、何が起こったのか理解するまでに時間がかかった。 ──3時。なんとかきょうの仕事は終えた。 「先輩、あのイケメン、彼氏ですか?」 「あの人、一階のコーヒースタンドの店員さんだよね? ファンも多いみたいだよ」 玲奈にも後輩や先輩にもあれこれ聞かれたが、ただの知り合いとしかいまは言いようがない。なんとかみんなの口撃を振り切ってスタジオを出ると、向こうから亮介がニコニコ手を振って歩いてきた。 「未央さん、お疲れさまです。じゃあいきましょう」
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