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「ごめんなさい、急に誘ってしまって。迷惑でした?」
しゅんとした様子の亮介を見て、未央は慌てて、風が吹きそうなくらいの勢いで首をブンブン横に振った。
「ごめんね、私男の人とこういうところに来るの久しぶりで。というか郡司くんがその……あの……」
かっこよすぎて直視できないなんて言えるか! ますます顔は赤くなり、体がカチカチに固まっていく。
「もう、体調はいいんですか? そうだ、お菓子ごちそうさまでした」
はっと未央は顔を上げた。体の力がふっと抜ける。そうだ、お礼。ちゃんと言わなくちゃ。
「うん、もう大丈夫。あのとき朝から調子が悪くて、無理して出かけたのがいけなかったんだ。郡司くんがいなかったら死んでたかも。本当にありがとう」
未央はペコリと頭を下げた。
「いえいえ、たまたま未央さん見かけて、声かけようとしたら急に倒れたんでびっくりしました。仕事で救命救急講習を受けたばかりだったので、役に立ってよかったです。人工呼吸」
ぶっ! と未央は飲んでいた水を吐き出しそうになってあわてておしぼりで口を押さえた。じっ、人工呼吸!! 確かにそうだけど、いざ言われるとはずかしくてたまらない。
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