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わざと? わざと年上を翻弄しようとしているのか? 未央はそれに対応する経験値もなく、ただただ赤面するしかない。
あははと笑っている亮介は、お店での爽やか120%の笑顔とちょっと違って、ほっぺにいじわるって書いてあるような、そんなかおをしていた。なんか、くやしい。
「そうだよね、ほんとありがとう。きょうはおごるから、いっぱい食べて!」
タイミングよく運ばれてきたパンケーキにナイフを入れる。ふわふわのメレンゲを混ぜた厚みのあるパンケーキ。とろとろの生クリームで全体は覆い隠されて、その上から抹茶パウダーがかけられている。見ただけで、美味しいってわかる。
「うわぁ、これすごい。写真撮っていいかな?」
未央は店員に確認して写真を撮ると、ナイフとフォークをつかみ、いただきますをして食べ始めた。
亮介も明太子パンケーキを食べている。明太子パウダーが生地に入っていて、辛味と生クリームの甘味がマッチして美味しいと一口食べて教えてくれた。背筋もピンと伸びて、所作も美しい。どっかのおぼっちゃまなのかな。そう思わせる王子様っぷりであった。
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