4123人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
未央は急ぎ足で駅のホームへ向かう。早く家に帰りたくてたまらない。秋の新作スイーツのコラボができるなんて、すごくない!? スタジオのみんなで考えたものが、郡司くんのコーヒースタンド『muse』で売り出されるんだよ。楽しみすぎる!!
未央は興奮状態で、電車を待っていると、亮介にジーッと見られていることにはたと気づいた。
「ご……ごめんね。私こうなると周りが見えなくなっちゃうことがあって……」
「ぷっ!! くくくっ。未央さんてやっぱり面白いですね」
亮介は顔をくしゃくしゃにして笑った。こんな笑い方もするんだ。さわやかだけど、かわいい。
「お……おもしろい?」
「そうです、興味深いほうの面白いです。さっきまで、のほほんとパンケーキ食べてたのに、コラボの話出したとたん、人が変わるんですもん」
「仕事になるとつい……。反省してます」
「そんな、反省しないでくださいよ」
「でもね、計画立てるときは燃えるんだけど、いざプレゼンとなるとはっきりいえなくて、別人だってよく言われる。一本筋の通った人になるのが目標」
「いまの自分はそうではないと?」
「いつも態度が一緒の人もいるじゃない? そういう性格に憧れてて」
「はぁ」
最初のコメントを投稿しよう!