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「漠然となんだけどね、仕事でもそういう一本筋の通った人をみるとすごく憧れちゃうんだ。
私は祖母に、もっとはっきり言いなさいとか、流されてどうするのとか、自分の意見をぶつけることを怖がるな! とか結構激しく言われてたんだ。
確かにそうなのはわかるんだけど、どうもね。傷つくのが怖くてたまらないの。失敗するのが異常に怖くて。
自分の意見をはっきり言える人をみるとすごくうらやましいと思うんだ」
亮介はだまってその話を聞いている。いきなりこんな話してわるかったかな。未央もそれ以上しゃべらず、黙っていた。
沈黙を破って、軽快な音楽とともに電車がホームに入ってきた。帰宅ラッシュ前の時間帯はまだすいていてふたりで座席に着いた。
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