ほんまにアホなおっさんの話

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【ほんまにアホなおっさんの話】 【おみしりおき】 道頓堀あるやろ。 ナンパ橋からちょっと行ったらな、商店街やんか。その先に「嫁が君」って小さいバーがあんねん。変な名前やなー思てな、マスターのおっさんに聞いてんか。そしたらネズミのことやねんて。 正月の間だけそないな名前にするて、えんぎもんの名前やねんて。「夜」、「目」が光るからヨメて、なんや昔の人もおもろいなあ。 マスターはな、ほんまにアホやねん。そやからあの界隈でアホのおっさんて言うたらマスターの事やで、よう覚えときや、今度連れてったるさかいにな。なにがアホやいうたらな、顔以外全部がアホや。 キョートとトーキョーの違いがよう解らへんし、右と左がどっちなんや解らんらしいからおっさんに道聞いたらあかんのやで。可哀想やろ。 顔もネズミみたい、ネズミよりもちょっとマシってなもんやな。鼻の下に髭はやしっとって、髪はまっつぐ。ひょろっとしとるけど意外にマッチョやわ。 なんで知っとるかって? アレや、おっさん酒と一緒に体売っとるもん。男、女、どっちでもぽっきり一万、この前他の客が言っとったけど、三万渡そうとしたらはにかんで「一万でええよ」、やって。なんかそれ聞いてて泣きそうになったわ。どんだけ自分を安くしとるん。 おっさん、アホやねん。女房と子供いたけど逃げられよった。そらそうや、アホやもん。店のオーナーは893らしいよ。うちのチャー子がいっとったけど、店で○○組の○○とキスしてんの見たんやて。まーバックがいいひんとやれへんわな。気はええけどな、なんか一本抜けとるねんな。アホのおっさん。
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