1話 憧れの先生は……

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「おじゃまします」  緊張しながら中に入ると、ヨーロッパのお城みたいだった。  とにかく玄関ホールが広い。天井が高い。  天井にはアンティーク調のシャンデリアがぶら下がっていて、それがお城感を醸し出している。  ホールの正面には階段があって、ホールの周りには焦げ茶色のドアが四つもある。  ドアの奥もやっぱりお城みたいな感じなのかな。想像するだけでわくわくする。 「こっちですよ」  黒田さんが正面の階段の方を指した。 「はい」  黒田さんに続いて階段を上った。三人横並びで歩いても余裕がありそうなぐらい広い。赤絨毯が敷かれていたらお姫様が歩いていそう。  うわっ、階段の途中に大きな窓がある。お庭に咲いているライトアップされた薔薇が見える。素敵だな。本当、お姫様の生活って感じがする。  望月先生って、やっぱりお姫様みたいな人なのかな?  
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