10話 デート

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 先生の柔らかな唇が何度も重なって、熱い舌が入ってくる。先生の舌が私の舌を絡めたり強く吸ったりして、足から力が抜けた。ガクッと倒れそうになると先生が支えてくれてた。  密着している素肌が心地良かった。温い体温に包まれた先生の肌はシルクのように滑らかで甘い匂いがする。  背の高い引き締まった身体にすっぽり包まれるように抱きしめられ、経験した事のない濃厚なキスを受け続けた。  まだキスだけなのに、頭の奥がとろけてしまいそうだった。  先生は恐ろしい程、私を感じさせる。 「先生、こんなの不意打ちです」  抗議をするとシャワーに濡れた端整な顔が悪戯っぽく微笑んだ。その表情が淫らで、魅力的で心臓がギュッと掴まれる。 「誰が一緒に入らないと言った?」 「だって、恥ずかしい」 「恥ずかしがっている今日子を見に来たんだよ」  両腕で胸を隠すと逞しい腕が強引に私の腕を開かせる。 「今日子綺麗だよ」  長い指先が胸の先端に触れた。触れられた瞬間、電流が走ったように体中が甘く痺れて、「あっ」と声が漏れた。 「もっと今日子の可愛い声が聞きたい」  バスタブの縁に私を座らせて、先生は唇を寄せ、胸を強く吸った。先生に与えられる刺激に下腹部がキュンとする。  胸を吸いながら、骨張った大きな手は私のお腹や胸を優しく撫でている。  触れ方が優しい。大事な物を扱うような触り方に愛情を感じる。こんな風に、純ちゃんは一度も触れてくれなかった。  今思うと、私とのエッチは義務みたいな感じだった。  お風呂だって一緒に入った事がないし。本当に私は愛されていなかったんだ。 「痛かったか?」  純ちゃんの事を思い出して、泣きそうになっていたら心配そうに先生が私を見つめた。 「全然痛くないです。先生の触り方が優しすぎて、なんか」  じんわり涙が浮かぶと先生が抱きしめてくれた。 「前の旦那を思い出したのか?」 「ごめんなさい」 「謝る事じゃない。いいんだよ。別れたばかりなんだから当然だ。俺が急ぎ過ぎたんだ」  いつも先生は私の気持ちに寄り添ってくれる。  先生に愛されていると思ったら、嬉しくてまた涙が浮かんだ。
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