10話 デート

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 二時間以上、全身を愛撫されて、先生の指と舌で何度も絶頂に達せられた。でも、まだ一番欲しい物をもらえない。欲しくて堪らないのに、もらえないなんて、何だか切なくなってくる。  淫らになった身体は下半身に力が入らないほど、がくがくとし、私の中は十分すぎる程濡れている。その場所に熱く大きくなった先生が欲しい。これ以上、焦らされたら本当におかしくなる。 「先生が欲しい、欲しいの!」  悲鳴のような声で訴えた。  もう我慢できない。こんなに焦らされるのはいや。  早く先生とつながりたい。 「今日子、なんて蕩けた顔をしているんだ」  嬉しそうな表情で先生が私を見つめる。 「だって、先生が焦らすから」 「お前は本当に可愛いな。お前にそんな顔をされたら堪らない」  先生の唇が私の唇をこじあけて舌を絡ませてくる。今日何度もした心がつながるようなディープキスが気持ちいい。 「先生、欲しい」  キスをしながら訴えると、先生がわかったと言った。  コンドームを付ける先生を見て胸が高鳴った。これから一つになるんだと思ったら嬉しさが溢れた。  先生の熱いものがトロトロに溶けた私の中にゆっくりと入ってくる。純ちゃんのよりも多分、大きい。だけど全然痛くない。まだ入り口の辺りなのに気持ち良過ぎる。 「痛くないか?」  心配すように大きな手で私の頬を撫でてくれた。  先生の気遣いが嬉しい。  大丈夫だと言うと、ほっとしたように先生はゆっくりと奥へと進んだ。こんなに優しいエッチも初めてで感動する。 「先生、好き」  先生が一番奥まで入ると甘い疼きに下腹部がキュンとした。広い先生の背中を強く抱きしめた。 「好きだよ。今日子」  先生もギュッと抱きしめてくれる。  先生と一つになれた事に感極まって涙が浮かんだ。  気持ち良さよりも、先生と体がつながっている事に幸せを感じる。エッチって体だけじゃなくて、心もつながるものだったんだ。  先生が愛しい。私の全部が先生を好きと言っている。  先生と離れたくない。この先もずっと一緒にいたい。
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