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病院には面会時間が終わる午後7時までいた。
心配かけてすまなかった。ゆっくり休めよと先生に送り出されて家に帰って来た。
とりあえず先生が無事でよかった。
ホッとしながら台所に立ち、途中だった昼食の食器を洗い、その後は取り込んだ洗濯物を畳んだり、先生のシャツにアイロンをかけた。
普段通りの家事をしていると気持ちが落ち着いてお腹がすいた。台所をもう片付けてしまったから片付けの事を考えるとご飯を作るのは面倒くさい。
カップラーメンがあった事を思い出して、台所の食品棚の前に立った時にインターホンが鳴った。
きっと真奈美さんだ。仕事が終わって駆けつけて来たんだ。
しかし、画面を見ると映っていたのは真奈美さんではなく、集学館で一度だけ会った上原さんがいた。
勝手に先生のベッドに下着姿で入ってアシスタントをクビになった子だ。なんで彼女がここに?
もしかして黒田さんから何か頼まれた?
でも、黒田さんはそんな子をお使いに使うかな。先生が留守だからお使いに出したのかな。
ぐるぐるといろんな事を考えながら玄関の扉を開けた。
「夜分遅くに申し訳ありません」
上原さんが丁寧なお辞儀をした。
「望月先生が入院したと聞いたのですが、容体の方は?」
心なしか上原さんの顔色が悪く見えた。かなり心配してくれているんだ。
「処置をしてもらって落ち着いていますよ」
上原さんが安心したような表情を浮かべた。
「良かったです。私、黒田さんからお使いを頼まれまして」
やっぱり黒田さんに頼まれて来たのか。
「どうぞ。今、お茶を淹れますね」
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