12話 契約終了

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 舌を差し込むと先生も絡ませてくれる。営みは自然と濃厚なものになる。  パジャマ越しに大きな手が私の胸をまさぐり始める。  長い指が胸の先端に触れた時、声にならない声が漏れた。  スイッチが入ったように下腹部が熱くなり、どうしようもなく先生が欲しくなる。  病み上がりの先生に無茶をさせてしまうと思いながらも、「先生が欲しい」という欲求が声に出た。 「俺も今日子とつながりたい。だが、これで我慢してくれ」  下腹部に触れていた先生の手がパジャマのズボンの中に入り、下着の上から敏感な部分を撫で始めた。焦らすように入り口の辺りを行き来していたかと思うと、指が直接その部分に触れた。 「もう濡れてる」  耳元でゾクッとする程、艶のある先生の声がした。 「先生、なんとかして」 「ああ、そのつもりだ」  私の下半身から全ての衣類を取り、両足を大きく開かされた。蜜で溢れた場所が露わになり、先生はその場所に唇を寄せる。熱い舌を感じた瞬間、甘い刺激が全身を貫き、腰が浮く。気持ち良くて、恥ずかしくて堪らない。こんな風に先生にされるなんて。  先生の舌と長い指が敏感な部分を刺激し続け、私はすぐに絶頂に達した。  身体中から力が抜け、ベッドに沈むと、先生が嬉しそうな顔で見つめる。 「今日子、気持ち良かったか?」 「はい」 「抜糸が済むまでこれで我慢してくれ」  そう言った先生がどこか悲しそうだった。  やっぱり私を愛していないから、こんな事をするのが嫌なんだろうか。そう思ったら胸が潰れそうな程苦しくなった。  苦しさから逃れるように、またキスをした。すぐにキスが深くなって、先生が吐息のような声をあげた。  先生の下半身に触れると、それは硬くなっていた。  心がなくても先生の身体が私を求めてくれている。身体だけの関係でもいいから、先生をつなぎとめたい。硬くなった先生の部分を手で愛撫をすると、先生が短い声を上げた。   「してくれるのか?」  先生の問いかけに頷き、時間をかけて先生を愛した。  私のたどたどしい愛撫に応えるように先生がああ、という吐息交じりの声をあげ、熱い物を放出する。  先生が満足したように私を抱きしめた。  乱れた先生の呼吸を聞きながら、急速に心が冷えていく。  なんて、むなしいのだろう。  先生にとって、これはただの性欲を満たすだけの行為なんだ。  私を愛しているわけではないんだ。    こんなに愛しているのに私の心は先生に届かない。  そう思ったら、悲しくなってくる。  先生と一緒にいるのが苦しい。でも、一緒にいたい。  矛盾した想いに心が引き裂かれそうになった。
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