12話 契約終了

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 朝はあっという間に来た。  明け方まで私を抱いていた先生は隣でぐっすり眠っている。  先生を起こさないようにベッドから抜け出し、寝室を出た。  家を出る準備は先生の入院中に終わっていた。  今、私の部屋に残っているのはボストンバッグ一つ分の荷物しかない。  部屋に残したのは先生に買って頂いたネックレス、靴、ワンピースに、鎌倉で買ってもらったお土産。  持って行くには思い出が強過ぎて残していく事にした。  ジーパンと長袖のTシャツ、その上にロング丈のカーディガンを着てボストンバッグを持って部屋を出た。  玄関ホールに出るとステンドガラスに朝陽が射していて、玄関ホールの床がキラキラと輝いていた。  こんなに綺麗な眺めがあったのかと、今さら気づいた。  毎日見ていたはずなのに気づかなかった。  ふと、先生と一緒になる未来はあったのだろうかと思った。
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