12話 契約終了

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 朝陽に照らされた白亜の洋館に深く頭を下げてから歩き出した。  門までが遠い。  歩かなきゃ。  これからは一人で生きて行かなきゃ。  不安もあるけど、大丈夫な気もする。  それに寂しくなんかない。先生との思い出がたくさんあるから。  この三ヶ月、終わってみれば楽しかった。   憧れの小説家望月かおると一緒にいたなんて夢みたい。  先生ともっと小説の話をすれば良かった。  あ、サインもらってなかった。  今さら気づくなんて遅すぎる。なんか笑える。  先生、私が望月かおるの大ファンだって知っていたのかな?  あっ、やっと門についた。  門がぐにゃっと歪んで見える。    目の奥が熱い。  どうして涙が止まらないんだろう。 「今日子!!」  涙を拭っていたら、いきなり後ろから肩を掴まれた。
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