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絶対安静で暫く入院だと医者に言われて俺のテンションは撃沈している
慶さんは着替えとかもろもろを取りに行ってくれて今は席を外している
ガラガラガラ…
誰か入ってきたようだ
そっちに顔を向けた
寛翔が立っていた
俯いていて顔がよく分からない
「寛翔?」
声を掛けるとぴくりと反応してこっちに歩みを勧めてくる
そのままベッドの横まできた
「ひろか…「明輝!!!」!」
「俺明輝に言った!!!1人で出歩くなって!!無理すんなって!!言ったよな!?なんで、なんで、明輝が、こんな、怪我してんだよ、なぁ、なんで…っ」
「寛翔…ごめん…」
俺は誰かを泣かせてばっかだな
「俺は、ほら、大丈夫だから、な?」
「明輝っ!!ほんと、わかってない!!!大丈夫って明輝の口からもう聞きたくない…!!あぁ、ほんと、行かせるんじゃなかった、風紀なんて。くそ、あいつら、勝手にアイツらだけでやりあっとけばよかったのに、明輝巻き込みやがって、ほんと、どいつもこいつも、使えねぇやつらしかいねぇ、俺の部屋に監禁でもしとけばよかった、あ、そうか、監禁すればいいのか、そうしよう」
なんかものすごい勢いで寛翔が喋り始めた
なんかすげー怖いこと言ってる気がするけどきっと気の所為だろう。そう思おう。そう思わせてくれ。
「寛翔…ん…」
俺はそっと腕を広げる
「腹ばちくそ痛いからそっとな?そっときてくれ?」
「…明輝」
寛翔が俺の腕にはいってそっと抱きしめてくる
「ばか、ばか、ばか明輝、絶対退院したら監禁する」
「退院するまで待ってくれるんだ…いや、やめろ、監禁しようとすな、え、冗談だよね?まじでやんないでよ?あ、こわ、こわくなってきた、え、ちょっと、力強くなってきてるよ?ひゃー!ちょ、誰かー!誰かきてくれーー!俺監禁されそうですー!きゃー!」
ガラガラガラ
「お前、外まで声聞こえて来たぞ、病院なんだから静かにしろ」
「衿斗先輩ーーーッッッ!!!助かったー!!ごめんなさい!!」
衿斗先輩はヅカヅカ歩いてきてぺりっと寛翔を剥がしてぽいっと部屋の外に捨てた
「体調はどうなんだ?」
「かなり痛いですけど他はめちゃくちゃ元気です!!」
「そうか…」
「あの、すみません、生徒会復帰した矢先にまた行けなくなっちゃって……んぐ!?」
衿斗先輩に鼻を摘まれた
「そー思うならさっさと元気になって戻ってこい」
「…はい!」
「ほかの役員も心配していた。お前の話聞いてからアイツらも仕事が手付かずでな…。また喝入れてやんねぇとだな」
「あはは」
「今はしっかり休んどけよ、待ってるから」
「はい!ありがとうございます、衿斗先輩!」
衿斗先輩は部屋を出ていった
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