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「明輝〜!!!」
「律先輩!!!」
続いて入ってきたのは律先輩だ
その後ろには郁美先輩と龍風先輩と亜優もいた
「皆さん来てくれてありがとうございます!」
「体は?大丈夫なの?」
「はい、幸い急所は外したそうで!」
「よかった…」
涙ぐみながら微笑む律先輩
綺麗だ、好き。
「明輝」
「?」
亜優がこちらに近づいてきてバッとすごい勢いで頭を下げた
「ほんとうに申し訳ない。俺のせいだ。周りの人間を巻き込んじゃいけなかった。謝って許されることじゃない、謝罪を受け取ってもらわなくてもいい。」
「俺もだ、すまない。お前にはここずっと被害を受けさせてばかりだ。風紀委員長失格だ」
ならんで龍風先輩まで頭を下げ出す
「え、ちょ、ちょっと、2人ともやめてよ!ね、お願い、顔上げてよ」
そう頼みこむと2人はおずおずと顔をあげた
「俺もなんか勝手に突っ込んじゃっただけだし、前のことは俺の問題だったし、2人が気に病むことじゃないでしょ、それに亜優が無事でほんとうによかった。その後はいろいろ大丈夫だった?」
「あ、ああ。亜優を狙っているやつは全員捕まえた。その件はもう丸く納まった」
「そっか、よかった!」
それが気がかりだったから安心してついつい顔が綻んだ。ほんと、よかった。亜優も、龍風先輩も、そして和騎も無事で、ほんと、よかった。
正直不安だったのだ
2人が危険な目に合わないかって。もともとそういうところにいるからずっと危ない状況なのは変わらないのかもしれないけど、それでも何かあったらって。
不安だった
「…?亜優?どうした?」
もともと大っきい目を最大に見開いて固まっている
急にばっと動いて俺は両腕をがっしり捕まれ、ずいっと亜優の可愛い顔を近づいてきた
うわっまつ毛なっが
「明輝!!!俺と結婚してくれ!!!」
「…」
「…」
「…」
「…」
「「「「はあ!?!?!?」」」」
「えっちょ、亜優!?な、何言ってんの?」
「明輝の心の広さに惚れちまった!守りたい、いや!俺に守らせてくれ!その笑顔を!!だから俺のそばにずっといてほしい!!」
「え、は?あ、あゆ?待って、は?」
「あ、亜優、お、お前何言ってやがる!明輝から離れろ!」
「け、けっけっこん」
「ひゅう、やるねぇ如月クン」
龍風先輩が俺から亜優をひっぺはがしてそのまま部屋の外へ連行していった
「…」
「…」
「…」
「…あ、そろそろ行かないといけないね」
「そうだね、残った仕事やらないとね」
「2人とも来てくれてありがとうございました、嬉しかったです!」
「騒がしくしてごめんね、ちゃんと安静に過ごすんだよ、お大事にね」
「ふふ、律先輩お母さんみたい、はーい、任せてくだい!」
にこっとわらって親指を立ててやる
ちょっと不安そうに律先輩は微笑んだ
むむむ。
「それじゃあね」
「またね」
「はい、また!」
律先輩と郁美先輩も部屋を出ていった
シン…と病室に静けさが訪れる
「…和騎。そこに、いるんでしょ」
廊下に向かって声をかける
律先輩達がドアを開けっ放しにしていってくれているからきっと声は届いているだろう
少し間が経ち、病室に和騎が顔を出した
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