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私は、その姿を見送った後、自分の隣にあるカートを見て、思わず、ため息を漏らす。これ、あと何分かかるんだろう。
そう考えると、頭が痛くなったが、切り替えて、そのカートに手を伸ばした。
積まれた本を整理し終えたのは、それから、1時間30分後だった。想像よりは、早く終わって安心するも、中々疲れた。
司書の先生に、挨拶をして、廊下に出る。
廊下に出たら、すっかり夕暮れ時だった。
空が一面オレンジに染まっていた。私は、思わずこぼした。
「「綺麗。」」
「えっ?」
予想外の声に驚いて隣をみるとそこには、須藤さんがいた。
「お疲れ、新城さん。」
「あっ、はい。お疲れ様です。」
一瞬固まりかけて、返事をする。
「ふっ。なんで敬語?」
夕焼けを背景にそういった須藤さんの笑顔が、あまりにも可愛くて、思わず息を吞んだ。
「いや、なんとなくかな?」
「じゃあ、これからは、敬語なしね。」
「えっ」
「だって、これから一年間同じ委員なのに、堅苦しいのは、なんか疲れちゃうから。よろしくね、新城さん。」
そう、私は図書委員になった。理由は、ただ本が好きだったから。
と、言いたいところだが、実際は違う。図書委員は、学級から一人必ず選出しなければならない。でも、うちのクラスはやりたい人が出てこなかったため、先生の案で、くじ引きで決めることになり、その結果、この通り私が、図書委員になった。だから、私は彼女の一年間という言葉に、思わず顔が引きつりそうになるも、それをなんとか抑えて、言った。
「確かにそうだね。よろしくね。須藤さん。」
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