不織布の訳

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真夜中が好きでね、 自分のためだけの時間だから。 独り占めってやつなんだろう、 邪魔な者も居ないし、 余計な物も見えないし。 それまで見えていた柵が、 この時同化しているからだろう。 自由になれる気がするんだ、 音も空気も頭の中も。 独りじゃない時間なんだ、 人間以外と話せる時間だから。 この時の小動物たちは、 自分と同じでお喋りなんだ。 明るい時間とはだいぶ違う、 本当の命の姿みたいに。 嘘や偽りの無い世界、 真っ暗の中に真実だけがある。 この世界では争い事はない、 ただただ 素直な命の時間があるだけ。 生きる者の本当の姿、 皆活き活きしてるだろ? マスクなんてしてる奴は居ない、 着けてる奴らは嘘付きだからな。 本当の姿を鏡で写せば、 マスク無しじゃ即死だろうな。 生きている事すら嘘なんだよ、 奴らの世界は偽物なんだぜ? だから真夜中が好きでね、 嘘の無い自分だけの時間だからさ……
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