嘘と噂好き

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嘘と噂好き

「…なあ、こんな噂知ってるか?」 「何…?お前、そんなに噂話好きだったっけ?」 クラスの中でただ一人、昼食も終わって教室でぼんやりとしていたら他のクラスメートたちで集まって、会話で盛り上がっているようだ。 (……まあ、俺には関係ないだろうし。どうでもいいんだけど……) そんなことを思っている時に限って、何故かその会話について詳しく聞こえて覚えてしまうものだ。 「…最近、行方不明についてのニュース多いんだけど知ってるか?」 「それぐらいなら…知ってるけど。それがどうかしたの?俺らの周りには馴染みないものでしょどうせ?あんなの見るだけ無駄じゃない?」 「まあ、聞けよ。その行方不明になってる人達に実は共通点があるんじゃないかって言われてるんだ……気にならないか?」 「……共通点って、どんなのさ?」 「噂だぜ?あくまで噂だけどよ……※※※※なんだってさ!」 「は?何それ…そんな噂、絶対ただの嘘でしょ。どこ情報だよ」 「え〜…SNSってやつ?」 「おまえさ〜…そういう情報を鵜呑みにしてんじゃねぇぞ?まったく…」 今、教室内で会話をしているのは彼らだけではない。タイミング悪くうるさくなって、肝心な部分が聞き取れなかった。 (……帰ったら、調べてみようかな) そんなことを考えていたらいつの間にか昼休みは終わり、午後の授業が始まった。
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