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コヤツは私が橋江同様、金を要求するとでも思っているのだろうか。
私は
「オマ、ライター持ってる?」
と聞いた。
「え?ライター?持ってるよ。何すんの?」
間宮がズボンのポケットからライターを取り出すと、私はそれを受け取り、上着のポケットから取り出した用紙に火を付けた。
「え、え!ちょっと、アナタ何してんの」
間宮は私の方に身を乗り出し、あたふたと、どうして良いか判らず、ジリジリジリと燃えて小さくなって行く紙と、私とを交互に見ていた。
紙はアッという間に黒くなり、燃えカスが白煙とともに、私の指から離れ、宙に舞って行った。
(この煙りとともに全ての罪よ、消えてなくなれ)
と思いながら、消えて行く煙と舞っている燃えカスを目で追った。
そして
「オレはオマエをどうこうしようとは思ってない。自首するか、知らんプリして、そのうち捕まるか。
オマエが考えて決めればイイことだよ」
と言った。
「マジ?イイの?それで」
以外そうに私を見つめる間宮。
「イイんじゃないのか。でも、逮捕されてもオレの名は出さないでくれよ。
ケータイの履歴も消しといてくれ。
なんか、ゴタゴタ巻き込まれて、うっとおしいのもイヤだし。
今日会ったことも、無かったことにしてくれ。
ただ…バレたらどうしようかなって考えてる。
橋江とはツルんでたからなぁ。
その辺、ツッコまれるとマズいから、なんとか辻褄合うようには考えるが」
「それは判ってる。オマエには迷惑はかけないが……」
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