13.動機

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コヤツは私が橋江同様、金を要求するとでも思っているのだろうか。 私は 「オマ、ライター持ってる?」 と聞いた。 「え?ライター?持ってるよ。何すんの?」 間宮がズボンのポケットからライターを取り出すと、私はそれを受け取り、上着のポケットから取り出した用紙に火を付けた。 「え、え!ちょっと、アナタ何してんの」 間宮は私の方に身を乗り出し、あたふたと、どうして良いか判らず、ジリジリジリと燃えて小さくなって行く紙と、私とを交互に見ていた。 紙はアッという間に黒くなり、燃えカスが白煙とともに、私の指から離れ、宙に舞って行った。 (この煙りとともに全ての罪よ、消えてなくなれ) と思いながら、消えて行く煙と舞っている燃えカスを目で追った。 そして 「オレはオマエをどうこうしようとは思ってない。自首するか、知らんプリして、そのうち捕まるか。 オマエが考えて決めればイイことだよ」 と言った。 「マジ?イイの?それで」 以外そうに私を見つめる間宮。 「イイんじゃないのか。でも、逮捕されてもオレの名は出さないでくれよ。 ケータイの履歴も消しといてくれ。 なんか、ゴタゴタ巻き込まれて、うっとおしいのもイヤだし。 今日会ったことも、無かったことにしてくれ。 ただ…バレたらどうしようかなって考えてる。 橋江とはツルんでたからなぁ。 その辺、ツッコまれるとマズいから、なんとか辻褄合うようには考えるが」 「それは判ってる。オマエには迷惑はかけないが……」
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