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「このことはオレの胸にしまっといてやるよ。そのかわり、金、貸してくんないか。
とりあえず60万でいいんだ」
今度はストレートに来やがった。
オレはア然としたね。
橋江がサ、アノ学級委員橋江がタカリだよ。
まさか、そんなことするヤツだとは思わなかった。
この瞬間、オレにとって橋江は、昔の仲間でもなんでもなく、脅迫者、敵と化したんだ。
オレだってサ、コロシのネタじゃなく、フツーに
「ワリー、今、金に困ってんだ。ちょっと都合つけてくんないか」
ぐらい言われれば、オレも独り身だし
「まぁ、4、5万くらいなら」
って、OKしたと思うんだ。
60万は出せないけどね。
ただ、タカリは続くよ。
オレの過去の経験上、それは痛いほど判っているからね。
やっぱ、捕まりたくないし、もうコイツもやるしかないと思った。
どうしてやろうかと思案していると、後部座席の床にハンマーがあったんで、ヤツのフイをつき、それで頭を殴りつけた。
そして、血だらけのヤツを引きずって川に投げ込んだ。
そのアト、あのメモ用紙を捜したんだけど、見つからなかった。
ないならしょうが無い。
ヤツん家まで捜しにいけないし。
携帯電話だけはサ、履歴が残ってるから、こりゃマズいと、持って帰って、粉々に砕いて、燃えるゴミで出しちゃった。
携帯、燃えるゴミで出しちゃいけないんだけどね。
しかし…アレっ?その用紙持ってるってことは、もしかして…橋江とツルんで、さぐってたってこと?
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