軒先で出会った二人

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 彼、山田くんは優しい人。疲れて帰ったわたしに手料理を振る舞って、家事をしてくれて。最高としか言えない。 『居候?ヒモ男じゃん!!』  羽田が怪しんでいたけど、わたしは気にしなかった。その頃から、彼は家を空けることが増え、お金を貸してくれと懇願される場面が増えたけど・・・ 「どこ行ってたの?」  彼はわたしが夕立に恐怖を抱いているのを感じ取り、家を空ける日は決まって雨雲が怪しい、雨天時だったりする。 「怖い怖いって思うからだよ」  雷が鳴るたび耳を塞ぎ、彼の元に近づいたからだろう。いつの間にかわたしの指に指輪が嵌められている。ねぇ、そのお金はどうしたの? 「奈緒にお世話になってるから、頑張って貯めたんだよ?」  わたしがいない時に何してるかなんてもう、わかってるのよ?
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