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軒先で出会った二人
ゴロゴロと雷鳴が鳴る。滝のような雨が降って止まない。
ドーーーーーーーーーン!!
近くで雷が落ちたよう。わたしは震えながらベットに包まっている。
「はやく帰ってきてよ・・・」
涙声になりながら指を見る。彼から貰った指輪がキラキラ輝き、不安な気持ちを落ち着かせてくれる。大人になっても怖いものは怖いまま。
『怖い怖いって思うからだよ』
怖がるわたしを彼はそうやって揶揄っている。いつまでも子供のようなわたし。
ザー、ザー、ガッシャン!!
風に飛ばされて何かがぶつかっている。窓ガラスを叩く音と雨音が、合奏している。
ドン、ドン、ザー、ザー
彼はまだ帰ってこない。
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