虹のふもとの傘やさん【シリーズ1作目】

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 葉っぱ!小さな水草が浮いている。そこにいるのは・・ 「ぴょんきち!」  小さなアマガエルがすいすいと傘の中を泳いでいる。傘の端にたどりついては、折り返し、傘の骨にそって、つーっと気持ちよさそうに泳いでいく。  ぴょんきちは、左目のまわりに赤い輪っかのような模様があった。泳いでいるカエルの左目には、まぎれもなく赤い輪っかがある!  去年、ペットで飼っていたぴょんきちは、ある日、水槽から逃げてしまった。逃げただけならまだしも、水槽の横にカラスの羽が落ちていたから、よからぬ妄想が広がって、泣き続けたっけ。  でも、ちゃんと生きていたんだね!  ぴょんきち!  どれくらいそうしていたのか、夕立のザーザーいう音が小さくなり、雨がやみかけてきた。  勢いよく傘にあたっていた雨は、だんだんと弱くなり、それと同時に、傘の中の色もだんだんと濃い水色から薄い透明になってきた。  やばい!  ぴょんきちも影が薄くなってゆく。  ダメ、水がなくなったら死んじゃう!  どうしたら、どうしたら!  そうだ!  私は傘をさしたまま、慌てて自宅まで走りだした。
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