虹のふもとの傘やさん【シリーズ1作目】

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「明日からしばらく梅雨に入るって。」 キッチンで天気予報をみていたお母さんが声をかけてきた。 「さっちゃん、この間の台風で、傘の骨が折れてたし・・・。これで傘を買ってらっしゃい。その間に夕食の準備しとくから。」 と財布から500円玉を渡された。 「え、500円?!これじゃコンビニのビニール傘しか買えないよ。」 「どうせまた雨で折れたり、なくすからそこのコンビニで十分。来年から高学年なんだから、もう昔みたいに柄物は使わないかもしれないじゃない。とりあえず、折り畳み傘しかないから買ってきてよ。」 「えー、じゃあ、余ったお金でお菓子かっていい?」 「いいわよ、早くいってらっしゃい。」  本当は友達がもっているような、ピンクのハートがいっぱい描いてあったり、フリルがついているような傘がほしいんだけどなぁ。でも確かに傘をなくすといわれれば自信がない・・。 「とりあえず、いってきます!」  残念な気持ちで、靴を履きながら、近くのコンビニを目指す。
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