なつのおと

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そ~と~、セミ~の~山~。 な~か~、ふうりん~の~うみ~。 はっけよ~い、のこった! のこった、のこった... ミーンミンリンリンジジジジジ... リーンミーンジジジジ... なつをもっとあつくかんじさせるセミのなきごえが、すぐちかくでする。 もちろん、1ぴきじゃない。何しゅるいもいて、それぞれなき方がちがう。 さすがおじいちゃんち、すごくたくさんいる。大合しょうだ。 リーンリンというのは、えんがわのところにかかっているふうりんのおと。 あおと水色で、見た目もおとも、すずしいかんじ。 だけどこっちは、かぜがふかないとおとがならないし、1つだけだからちょっとたよりない。 セミのこえはあつくなって、ふうりんのおとはすずしくなる。 おじいちゃんがテレビでよく見ている、おすもうさんみたいに思えてきた。 おすもうさんは、よくさいごに山とかうみとかついてるから、かっ手につけちゃったけど、ここは田んぼで山はあんまりないし、うみは何のかんけいもない。 それにさいしょは、ほんとは『ひがし~』とか『にし~』っていう。でもえんがわのそとのセミと、そこにかかってるふうりんはおなじ方こうにあるから。 ぼくはセミはすきだけど、あついのは大きらい。 がんばれ、ふうりん!ふうりん、りーん。 リーンリーン...。 あれ、止まっちゃった。ということは、かぜも。あーあ。 しんぱんの人がもってるあれは(まえ、おかあさんがおしえてくれたけど、わすれちゃった。ぐん...なんだっけ?)、セミに上がった。
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