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「ううん」
今まであんなにほぐしたのに、指とは比べられない質量のものが入ってくる。
「息、止めないで」
少し苦しそうな耀くんの声に、慌てて浅い呼吸を繰り返した。股が裂けるみたい。そしてなにより、この圧迫感。私の呼吸に合わせ耀くんが徐々に入ってくる。気を紛らわすように頭を撫でられなんとなくほっとした。大好きな人と今、ひとつになろうとしているんだ。そんなことを考えていると、いつまでも続くと思えた動きが止まった。
「全部、入った」
「これでお終い?」
今までさんざん友達の体験談を聞かされていたにも関わらず、いざ自分が体験しているとすべての知識が吹っ飛んでしまう。これでお終いなら、あとは抜くだけだなぁと思ったら、ぐりっと腰を回された。
「あんっ」
「ごめん、あともうちょっと続く。というか、ここからが本番」
抜けるかと思うほど腰を引き、そしてまた入ってくる。耀くんがその動作をゆっくりと繰り返す。そうだ、確かに今までのは全てこれをするための準備だったんだ。
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