生きたい

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あの日までは、私の人生は平凡で安泰でそれでいて絶頂だった。 妻が殺され、子が連れ去られ、私の人生は絶頂からどん底へと変化した。 生まれた時は至って普通だった。 それからも周りと同じように「すいすい」と成長していった。 私には兄弟がたくさんいた。 まぁ大半は今も生きているが、何人かは命を落としたりもした。 今の話に戻ろう私は滑稽にも妻が殺され、子供が連れ去られた時にも声を 出すことも、助けを呼ぶこともできずに黙って見ていたのだ。 その後の記憶はあまりない。 奴が近づいてきたから本能的に逃げた。 水に飛び込み、必死に泳いだ。 しかし捕まった。 そしてやりたい放題遊ばれた挙げ句そこら辺の田んぼに捨てられた。 奴らにはわからない私達の命の重みが、 奴らと同様等しく授けられている私達の命の大切さが。 おっと自己紹介が遅くなってしまってすまないね。 私は今は亡き一匹の・・・カエルの・・魂だよ。
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