らくあの日記帳

兄妹ごっこなんて真っ平だ

　あたしには、4歳上の兄がいた。

　だが、この兄が曲者で、とにかく構ってちゃんだった。

　というのも、あたしが産まれた時から彼には悪い癖があり、あたしを何かにつけて抱き寄せようとしてきたのだ。

　今の世の中ではセクハラで訴えられかねない程の変態であり、尚且つ俗に言う≪シスコン兄ちゃん≫なので、父親にも母親にも手の負えない男だった。

　あたしに甥っ子と姪っ子（今は養子として一緒に暮らしているが）ができてからも、執拗にあたしに構ってくることが多かった。

　あたしが彼に対してタメ口を利くのも嫌っており、「敬語を使え」と口癖のように何度も言われていた。

　あたしはそんな彼のことが嫌になり、

（こんなお兄ちゃんなんて大嫌い。いつかグループホームに入るか結婚するかして、家を出てやる）

そう思うようになった。

　実際、27歳の冬から５年間に渡り交際をしていた彼氏と今年の2月19日に入籍してからは、ようやく家を出ることができましたし、晴れてシスコン兄貴から離れることができました。もう二度と実家には帰らないつもりでいます。

　あたしはもう、長年に渡り続けてきた≪兄妹ごっこ≫を演じるのに疲れてしまったのです。