君が、欲しいんだ

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君が、欲しいんだ

「わかりません……」 これが、本心。 「……私……社長のこと……大好きです……」 「僕も、雨音が大好きだよ」 「でも……だから……わからないんです……私が社長の邪魔になるかもしれないって……怖くて……。いつか……社長に……いらないって言われるんじゃないかっ……てっ……」 嘘偽りのない、私の心からの叫び。 黙ってそれを聞いていた彼が、私の頭をもう1度撫でる。 「僕は……君と一緒に生きていきたいから踏ん張ってる。辛くても苦しくても、君がいると思うだけで立ち向かえる」 「……本当?」 「それとも……こんな僕は……君の側にいる資格はない……?」 「そんなことない……!」 私がそう言うと、彼は、一度彼の腕から私を解放し、軽くキスをしてくる。 まるで、結婚式の時のキスのような。 そして唇が触れるか触れないかの距離で、彼が囁く。 「簡単に……諦めないで欲しい。僕は、君が考えるよりずっと……君を背負う覚悟は持ってるよ」 「社長……」 「君が苦しいと言うのなら、僕は君の苦しみに寄り添いたい。君の笑顔を、僕が作りたい。これは資格なんかじゃない。……望みだ」
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