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その4
先客:「貴方はどうして? まだ雨も降っていなければ、雷もなっていなかったのに・・どうしてそれが事前に分かったの?」
主人公蒲池:「だから部室で衛星放送の番組を観ていたら、ブロックノイズが出だしたからって言ってるでしょ」
先客:「でもどうして? 衛星放送が雨とどんな関係があるの?」
主人公蒲池:「衛星放送の電波って南西方向に静止してる人口衛星から発射されているんですよ。
でも、その方向に多量の降水が発生したりするとその雨のカーテンで衛星からの電波が遮られてしまうんです。
これがブロックノイズ仕業なんです。そのブロックノイズから、やがてテレビ画面は『受信できません』ってエラーが表示されるって訳・・こんな説明で分かります?」
先客:「えぇ少しだけ・・でもその雨雲がこちらに流れて来るってどうして分かったの?」
ナレーター:だが彼女のその質問に蒲池が答えることは無かった。
『ゴロゴロ・・ドッド~ン!』
先客:「キャ~怖い!」
ナレータ:近くに落ちたのか、そのとてつもなく大きな落雷音は周りのあらゆるものを激震させた。
バス停の駅舎は勿論、蒲池も彼女もである。
驚いた彼女はわずか数分前に知り合っただけの蒲池の胸元へ上半身を埋めたのである。
視聴者:妻(そら!見てみ~な! 言うた通りになったやろ!)
視聴者:夫(お前、凄いな! よう分かったな! お母さん、脚本家になれるで!)
視聴者:妻(そんな、お父さん・・そんなに褒めんといて~な、こんな程度で成れるんやったら、『プロは苦労せん』ちゅうねん!)
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