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和泉君は喫煙者だ。
だが先月は金欠でタバコが録に吸えなかった。深夜にコンビニを廻って灰皿をあさってシケモクを吸っていた程だから、並大抵のタバコ好きではないし、その金欠振りも相当なモノだと伺える。
あるコンビニで黒い紙で巻かれたタバコが捨ててあるのを見付けた。アラビア語らしき印字のあるそのタバコを吸うと、身体がフワフワして疲れが取れた。
「多分、ヤバイタバコだったのだと思います」
それから、そのコンビニにシケモクを探しに行くのがクセになった。
ある日、灰皿に余り見掛けないタバコが捨ててあった。
また気持ちの良いタバコかな?と思い吸ってみた。
フウと吸い込み灰を落とそうと、灰皿に手を伸ばした。
すると、灰皿の網から髪の毛が覗いている。
灰を落とすと灰皿が「ぐ」と呻いた。
なんだろう?と髪の毛を引っ張ると、その下から人の頭がスポッと抜けた。
円筒形の灰皿に頭部が詰まっていたのだ。
和泉君が「うわ」と言うと、頭部が言った。
「灰は消してから捨てろよ」
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