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「……それはやめておいて。歴史が変わっちゃうから」
「? 和矢がそういうなら、内緒にしておく」
タイムパラドックス回避!
ダメ押しで意識を逸らそうと、和矢は綱に質問する。
「そう言えば、綱くんはもう元服してるんだよね。武士ってことは、刀とかも持って歩いてるのかな?」
って言うか、平安時代って、こんなに小さい子も元服するんだ?
まだ小学生くらいだよね?
……実は綱が、見た目と違って現代社会と比べてもしっかり成人しているのを、和矢は知らない。
それはともかく。
気を逸らす、というよりは、サムライの実態については、実は和矢が知りたくてたまらないことであった。
現代の日本で、武士の始祖たる源氏のサムライに会えるなんて!
しかも、あの渡辺綱だよ?!
頼光四天王だよ?!
「ああ、もちろん! 俺の……俺の太刀は?!」
武士にあるまじきことだが、綱は和矢に訊かれて初めて、自分が太刀を携えていないことに気がついた。
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