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~タイムスリップ・プリン・パラダイス~
綱の太刀が消えた騒動が終着し。
「綱くん、お腹すいていない?」
「……すいてる」
どのくらい時間が経ったのか分からないが、美矢に言われて綱は空腹を感じた。
「プリン作ったから、食べない?」
「ぷりん?」
「ええと、甘い茶碗蒸しみたいな……茶碗蒸しって、平安時代にあったのかしら?」
「よく分からないけど、甘いものは好きだよ」
「よかった。持ってくる……ちゃんと兄さんの分もあるから」
和矢の無言の圧力を感じて、美矢が言い添える。
「ホイップクリームはないからね」
「ちぇ」
どうせ俊に食べさせるために甘さ控えめに作ったに違いない。
そう言えば、夕方家に寄るとか言っていたかも。
大丈夫かな? さすがにこんなに小さい子ども、睨み付けたりはしないけど、何もしなくても怖がられるからなぁ(笑)
美矢が聞いたら怒るような失礼なことを考えつつ(俊本人は怒らないと思う)、プリンを待つ間、綱に質問を重ねて。
しばらくして、美矢はプリンを乗せたお盆を持って戻ってきた。
「カップに入ったままだけどいいよね?」
白いココット型で蒸したカスタードプリンを、綱と和矢の前に置く。一応斎にも。
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