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第一の夢
目が覚める。
そこは、教会のような雰囲気のところであった。
初めに対面したのは、天井いっぱいに描かれた油絵だった。
中心には、全知全能の存在である神ゼウス、その周りには天使やギリシャ神話に登場する他の神々の肖像画が描かれている。
確か中学生の頃、ギリシャ神話をモチーフにしたある漫画にハマってよく読んでいたから、そこに描かれている神々の名前は大体わかった。
だが、どうしてそれらが夢亜さんの夢に?
それらに見つめられながら、僕はいつの間にか床に横たえていた身体を起こした。
しばらく眠っていたのだろうか。
夢亜さんの姿はなく、六角形の窮屈な部屋に一人僕は取り残されていた。
「夢亜さんを、探さないと」
一人でに呟いて、まだ覚めきらぬ身体をなんとか奮い立たす。
すぐ近くにあった厚手のドアを開けると、そこには先が見えぬ程長い廊下が、僕を待ち受けていた。
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