二者の契約

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パフェを食べた後、ナナセちゃんは何かを言おうとしては何度もそれを引っ込めた。 相談でもあるのかと思って、何かあった?良かったら何でも聞くよ、力になれるかわからないけど、と言うと、ナナセちゃんは大粒の涙をぽろぽろ零しながら言った。 「アオイ先輩のことが、好きなんです」 シンプルで、ストレートな告白だった。 頭が真っ白になって、何も浮かばなかった。 そんな俺を見てナナセちゃんはますます泣いて。 「ごめんなさい。迷惑でしたよね、ごめんなさい」 何度も謝った。 いつもキラキラしていたナナセちゃんの目は、涙でぐしゃぐしゃだった。 ナナセちゃんが、自分と重なって見えたのかもしれない。 勇気を出して告白してる姿を見て、この子を救ってあげなきゃ、なんて偉そうな事を考えたのかもしれない。 何様のつもりだろう。 救えるわけなんて、ないのに。 今度はこのお店、茉莉香を連れてこよう。 茉莉香なら抹茶のパフェ選びそうだな。 きっと苺のパフェと迷うだろうな。 そしたら二つとも頼んで、俺と茉莉香でシェアすれば良い。 ――ナナセちゃんが俺のために選んでくれたお店で、そんな事を考えていたくせに。 「迷惑じゃないよ。 俺もナナセちゃんが好きだよ」 言葉は、俺の口から怖いぐらいにスラスラと出てきた。
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