153人が本棚に入れています
本棚に追加
パフェを食べた後、ナナセちゃんは何かを言おうとしては何度もそれを引っ込めた。
相談でもあるのかと思って、何かあった?良かったら何でも聞くよ、力になれるかわからないけど、と言うと、ナナセちゃんは大粒の涙をぽろぽろ零しながら言った。
「アオイ先輩のことが、好きなんです」
シンプルで、ストレートな告白だった。
頭が真っ白になって、何も浮かばなかった。
そんな俺を見てナナセちゃんはますます泣いて。
「ごめんなさい。迷惑でしたよね、ごめんなさい」
何度も謝った。
いつもキラキラしていたナナセちゃんの目は、涙でぐしゃぐしゃだった。
ナナセちゃんが、自分と重なって見えたのかもしれない。
勇気を出して告白してる姿を見て、この子を救ってあげなきゃ、なんて偉そうな事を考えたのかもしれない。
何様のつもりだろう。
救えるわけなんて、ないのに。
今度はこのお店、茉莉香を連れてこよう。
茉莉香なら抹茶のパフェ選びそうだな。
きっと苺のパフェと迷うだろうな。
そしたら二つとも頼んで、俺と茉莉香でシェアすれば良い。
――ナナセちゃんが俺のために選んでくれたお店で、そんな事を考えていたくせに。
「迷惑じゃないよ。
俺もナナセちゃんが好きだよ」
言葉は、俺の口から怖いぐらいにスラスラと出てきた。
最初のコメントを投稿しよう!