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「ん………」
そっと重ねられた唇から、あの日の事を思い起こさせた。
初めての、碧くんとのキス。
優しくて、甘くて、時間を忘れそうになっちゃうような、そんなキスだった。
今も、あの時と同じ――――――…
「…うん、間違いない。
あの時の、さおりだ」
「碧くん…」
ゆっくりと唇を離すと、碧くんはわたしに笑いかけてくれた。
確かめるって、そういう事だったんだ。
キスでわたしを“さおり”だって確信してくれたんだね。
わたしも、わかったよ。
「ゎ…っ」
重なった唇が離れたかと思うと、今度はわたしの身体がふわりと包まれた。
「よかった。
さおりで、本当によかった…!」
「ぁ、碧くん…っ」
あわわ…っ
わたし…碧くんに抱きしめられてる…!
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