ニセモノのデート、ホンモノの気持ち

10/11
前へ
/166ページ
次へ
「ぁ…ダメ………っ!」 思わず、わたしは顔を背けて碧くんを拒んだ。 ううん、拒んだんじゃない。 ただそれは、わたしがしちゃイケナイ事だから…っ! 「……………ごめん。 嫌だった…?」 「ぁ…っ」 顔を上げると、碧くんの申し訳なさそうな表情がクリアに見えた。 …バカ! またそうやって、碧くんを傷付けてる。 「ち 違うの! 嫌とかじゃなくて…っ」 「…あのさ、オレの事…好き?」 「…………………っ」 碧くんっ。 そんな質問、今のわたしにはツラすぎるよ…! 今わたしは“ゆかり”を演じなくちゃならないから、一生懸命“さおり”を消そうとしてるんだよ。 「好き?」だなんて、そんなの………っ
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加