巡り会えたホンモノの恋

1/12
前へ
/166ページ
次へ

巡り会えたホンモノの恋

「…ゆかりは、わたしの双子のお姉ちゃんなの。 それを良いことに、碧くんと一緒に映画を見たあの日、わたしは…ゆかりになりすましていたの」 「…………………」 どうしてもって、お願いされたからもあるんだけど。 ただ今までわたしに恋愛経験がなかったから、デートというものに憧れを抱いていたの。 だから…本当の彼氏とのデートじゃなかったけど、でも一度でいいからしてみたかった。 そうしたら… ――『ジュース、サイズ大きいから1つにしたよ。一緒に飲もうな』 ――『今日、ありがとうな。 本当に楽しかったよ』 デートが、こんなにもドキドキしちゃうものだとは思えなくて… ――『…好きだよ、ゆかり。 今日はありがとう』 わたしは自分の立場も忘れ、初めて本当の恋をしてしまったのよ――…。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加