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巡り会えたホンモノの恋
「…ゆかりは、わたしの双子のお姉ちゃんなの。
それを良いことに、碧くんと一緒に映画を見たあの日、わたしは…ゆかりになりすましていたの」
「…………………」
どうしてもって、お願いされたからもあるんだけど。
ただ今までわたしに恋愛経験がなかったから、デートというものに憧れを抱いていたの。
だから…本当の彼氏とのデートじゃなかったけど、でも一度でいいからしてみたかった。
そうしたら…
――『ジュース、サイズ大きいから1つにしたよ。一緒に飲もうな』
――『今日、ありがとうな。
本当に楽しかったよ』
デートが、こんなにもドキドキしちゃうものだとは思えなくて…
――『…好きだよ、ゆかり。
今日はありがとう』
わたしは自分の立場も忘れ、初めて本当の恋をしてしまったのよ――…。
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