可愛い可愛い、君への贈り物(ツイノベ版) 

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 当の妹はもうここに住んでいないし、自分は男なのでストーカーともし鉢合わせても返り討ちにできるだろうという自信があったからだ。面倒事は御免被りたい。  贈り物の服は最初、妹に渡そうと思っていたのだが「彼氏がヤキモチ焼くから」と言って受け取りを拒否された。 「メル○リにでも出せば?」と言われたが、売り飛ばすには服に込められた想いが強すぎて躊躇われた。  同じ理由で捨てるのはもっと怖くて、結局部屋の押し入れに溜め込んでいた。  ある日、会社の同期メンバーを自分の家に招いてたこ焼きパーティーをすることになった。  そのメンバーの中には、入社当初からずっと気になっていたA子もいて、少し浮かれていた。  楽しく食べたり飲んだりして、夜が更けた頃、酔っ払った同僚Bが押し入れから女物の服の山を見つけてリビングに持ってきた。 「何これ!?」 「え! お前彼女いたっけ?」 「いやいや、悪い女に貢いでんじゃない?」 「もしかして女装癖があるとか?」  と面白半分の不名誉な憶測が飛び交う。A子に誤解されたくなくて、ストーカーのことを話す。  最初はみんな気味悪がっていたが、他人事ということもあり「ストーカーに貢がれてるとかウケる」と笑い話に。  ついには同期の女子たちが「というか、押し入れに仕舞ってるのもったいなくない? 私たちがもらってあげる~」と言い出した。  最初は躊躇したが、A子も欲しそうにしていたので、気に入ったのを一枚ずつ持って帰ってもらうことに。  翌日、さっそくもらった服をA子が着てきていた。すごく気に入っているようで、お礼も言われ上機嫌でその日一日を終えた。  しかしその翌日、彼女は会社に来なかった。  理由を上司に聞くと、夜道で突然背後から何者かに襲われそのまま意識を失ったとのこと。  気付いた時は下着姿でゴミ捨て場に放置されていたらしい。  幸いにも性的な被害には遭っていなかったが、精神的なショックも受けており、しばらく会社を休むとのことだった。  気になっている子がそんな目に遭い、暗い気持ちで家に帰ると、いつものようにドアノブに紙袋がさげられていた。
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