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7年ぶりだ。
実に7年。
7年も経つと、街の風景も変わっているし、彼女自身も大きく変わっているだろう。
顔も変わってるだろうし、見た目も変わってるかもしれない。
でもそれ楽しみでもある。
早く彼女に会いたい。
ボクは7年前、彼女に助けられて命拾いした。
眠っていたところを、地元のいじめっ子たち急に叩き起こされたボク。
いじめっ子たちに見つかったボクは、彼らの格好のターゲットになり、彼らはボクの体をいいようにいたぶった。
ある者は棒でつつき、またある者はボクを水責めにした。
あのままではボクは、確実に死んでいただろう。
でもそんなボクを、彼女が救ってくれたんだ。
いじめっ子たちから庇ってくれた彼女がボクに向けた笑顔。
ボクはそれを見た瞬間、彼女に一目惚れした。
自分の生き死にがかかった時に不謹慎かもしれないけど、ボクは自分が助かったことよりも、彼女に出会えたことを神様に感謝した。
いやそれまで神様なんて信じてなかったんだけどね。
でも、運命は時として残酷だ。
ボクはすぐに彼女の元を去らなきゃいけなかった。
助けてくれた彼女もそれを望んでいたし、何よりボクが成長するためには必要なこと。
ボクは彼女の笑顔を胸に焼き付けると、涙を見せないよう振り返ることなく、彼女の元を去った。
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