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結局彼女は志望していた大学とは違うけれど、同じ東京の大学に進学して、俺は東京ではないが関東の大学に進んだ。
たぶん、会おうと思えば会える距離だったし、手段はあったと思う。
けれど、連絡を取ろうとはしなかった。
彼女が地元に帰ってきていることも、佐々木から結婚式の招待状が届くまで知らなかった。
初恋は実らないものだって言うし、そんなものだろう。
スマートフォンの通知音が鳴って我に返る。
見ると、新着メッセージが一件。
『明日、何時に帰ってくるの?』
同棲中の彼女からのメッセージだった。
俺は『17時には帰る』と送った。
それからしばらくして、『なんか土産いる?』と付け加える。
すぐに彼女から『テレビで紹介されてたお菓子がいい』と返信があった。
そういえば、テレビでこっちのお土産が紹介されてたのを一緒に見たっけ。
何が取り上げられてたかわすれてしまったけど。
怒られるかもな、と思いつつ『なんだったっけ?』と送信する。
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