初恋の思い出

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ふと、冷たいものを感じる。__雨だった。   夏の雨は突然で、あっという間に土砂降りになった。   俺は雨宿りできる場所を探し、帰宅途中にある公園の東屋に駆け込んだ。   そこには、先客がいた。 「あ」   先客も俺に気づいたようだった。 彼女がこちらを振り向いて、俺の心臓が高鳴る。   それは、俺のクラスメイトの女の子だった。 どちらかというと控えめな方で、教室の隅で仲のいい女の子達数人とおしゃべりをするような女の子。 やわらかな雰囲気と笑った時のえくぼが印象的な女の子。 俺はいつも、教室で彼女を見つめていた。 「こんにちは」   はにかむような笑顔で彼女は俺に言った。 俺はうまく挨拶を返すことすらできなかった。 声にならない挨拶と片手を上げるのが精一杯だった。   東屋内には1つのテーブルと2つの向かい合う腰掛けがあった。 どこに座るべきか悩んでいる俺に、彼女は自分の隣を指して笑った。 俺はしばらく悩んだ後、少し間を開けて彼女の隣に座った。
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