鈍色の向こう

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とぼとぼと並んで歩きながら何か言いたげにしている遼太が、校門を出たところで意を決したように話し出した。 「で?なに、奇行の理由。っあー、別に理由なんてなくてもいいし言わなくてもいいんだけど、こう・・・なんてゆーか明確な理由があるなら言ってみれば?ってゆーか」 なにそれ、優しすぎるでしょ。 遼太は完璧すぎる。 授業中寝てるけど、そういうのじゃなくて人として完璧だと思う。 「うーん。理由ができる前に衝動が・・・なんか、こうもやもやして、あの雨の境目を感じたかった」 「・・・あいっかわらず訳分かんねーけど、まぁわかんないことも無い」 「どっち」 「お前のその、感覚で生きてるみたいなとこ俺は悪くないと思うけどね」 「さすが幼なじみ」 遼太と僕は幼稚園からずっと一緒だ。 家もまぁ近いと言えば近い。 お互いひとりっ子だから昔から兄弟みたいに遊んでいた。 だけど遼太は明るくて誰からも好かれる性格で、僕は反対に特定の人以外と話すのが苦手で、クラスでも大人しい部類に入る。 僕達が幼なじみだと知ると大抵の人が驚くのも無理はない。 「またなんか悩んでんの」 「僕ら性格正反対なのに今までよく仲良くやって来れたよなぁって考えてた」
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