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ピタ、ピタ、ピタ……。
どこからか、聞こえる、音。
ピタッ、ピシャ、ピタッ……。
耳を澄ますと、そこに混じる水音も聞こえる。
それがどうやら足音らしいと気付き……亜夜果は、目を覚ました。
まただ……。
また、いつもの夢だ。
いえ、前よりも鮮明に聞こえる。
また、近くなった。
夜毎、確実に近付いている。
少なくとも昨日は「足音」だなんて認識は持たなかった。
それに、あの音がどうして足音だなんて分かったのか、理由は分からない。
少なくとも、普通の足音ではない。
まるで、水底から這い上がって来るような……!
そこまで考えて、亜夜果は、背筋がぞわっとした。
決して触れてはいけない事実に触れてしまったような、理由のない恐怖。
思い出してはいけない、封印された記憶。
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