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「やっと学校よっ!」
こんなに学校にくるのが楽しいだなんて、生きてて初めてだわ。
「普段の生活にもどるとしても、安静に生活する事。破天荒すぎる行動はひかえろ。」
「私は破天荒じゃないわよ。」
私が言うと、ルネもラッドさんもエミリオも、その他の護衛も『嘘をつくな』という顔をしている。
「ちょっと元気な毒草オタクなだけです。」
「ちょっとね…。」
性格悪いわね…。
「リズ。明日、侯爵夫妻が来る。」
「え…?」
「本当はすぐ来る予定だったが、タイタン先生が『夫妻の前だと弱っていても元気なふりをするから』と言って週末にする事をすすめたらしい」
「……トビーの事は私は何もしていないわ。ただ売られた喧嘩は買うのが必須じゃない。だから…。」
「…どんな必須項目だ。それも侯爵に伝えておく。」
「何て酷い男に育ってしまってるの。王妃様に言いつけてやるわ。」
「簡単に会えると思うな。」
そりゃ16才の小娘が会える訳ないんだけどさ…。
「…もうすぐ私が婚約者候補に選ばれてから
1年ね。」
「ああ…」
「私はこの学校に来て、危ない事に巻き込まれ過ぎてるわ。早く故郷に帰らないと。」
「……」
「何か言いなさいよ。」
「別に。そうかもしれないと思っただけだ。」
「……」
「どうした?」
「いいえ。何でもありません。」
これってルーシー様を選んでくれる率が高いって思っていいよね!
よかった!!
「そういえば、ルーシーとスタンって何が原因で喧嘩になったのかしら?」
「さぁ、俺達はそれどころじゃなかったし。」
「まぁ、スタンがルーシー様を好きでないのは一目瞭然だもの、ルーシー様がそれに気がつけば別れるわよね。」
「どうでもいい…。」
「貴方、まわりに少し興味をもたないと駄目よ。それだけで人生は変わるんだから。」
「人生?」
「例えば誰かの為に何かをしたいと思えば、それは個人じゃなく皆にそういう気持ちを持てるようになるかもしれない。」
「……」
「それに善悪を見抜くには付き合いは必要なの。じゃなきゃ、知らないうちに懐に忍び込まれていいように使われるわよ。」
弟が兄より王位継承権が上な時点でおかしな話よ。うまく使われる存在にされてるのよ。既にね。
「興味を持つと言っても、俺を俺としてみてる奴なんていないんだ。」
…この人、めちゃくちゃ繊細なんだわ。
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