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「私は貴方を王太子だと思ってるけど、それを全て含めてセドリック様だと思ってるわ。ものすごく心配性なところとか。」
「……心配性ではない。」
悪い事ではないから否定しなくてもいいのに…。
「セドリック様は私の事を毒草オタクの婚約者候補として接していて、私という人格を見ていないの?」
「…全て含めてエリザベスだと思ってる。」
「なら皆そうじゃない。好き嫌いは話してみてから決めたらいいのよ。因みに私はスタンが大嫌いよ。貴方の友達だとしてもね。」
「辛辣だな。」
「人なんてそんなものよ。皆を好きになるなんて出来ないし、皆に好かれるなんてもっと無理よ。」
私がコチの出身だと知った時、皆が私の側を離れていくなら仕方がない。私は私以外のものになれない。
お父様とお母様、私の事をしってる上で私を大切にしてくれる人を不幸せにしない。それが私よ。
「どうしたんだ?」
「ううん。16才の女が人生悟ったように言うのもおかしい話だと思って。」
「ある意味、悟っていいくらいの出来事を経験してるけどな。」
「誘拐未遂は頑張ればなんとかなるレベルで、迷路の火事は…相手が手抜きしてくれてたのよ。」
個人的には追い詰めてたつもりだし、私だったら勝てると思ってたけど完敗よ。
トビーは私が護衛を振り切るのもよんでた。迷路に来る事も。何もかも。
『エリザベスなら俺がそうすると考えるだろう』…って。
「ウジウジしてても仕方がないわ!明日はお父様とお母様に会えるんだし、リリーにお母様へのプレゼントを相談……」
ロビン様に会いたくないから止めよう。
まさかリリーをとられるとは思わなかったわ。
「やぁ、2人とも。元気で何よりだよ。」
「リズ、もう大丈夫なの?」
思ったとたんに出会すなんて…
「うん、大丈夫よ。」
本当にお付き合いしてるみたいね。少しロビン様を疑ってたんだけど。セドリックから遠ざけたいから演技してるんじゃないかって…。リリーの気持ちをそんな事の為に利用したら、私にボコボコに殴られると解らない人ではないだろうから、やっぱりお付き合いしてるのね。
「リズ、私は婚約者発表の日はロビン様と行きたいの…。」
「うん。2人の仲を引き裂こうとは思わないわ。その権限を持つのはセドリック様だけだしね。」
「俺だってそんな事はしない。」
…それはそれで複雑だわ。婚約者候補が確実に減ったんだもの。
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