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我儘な鳥だぜ
――私の人生は充実していただろうか。
こんなこと、ポイニクスが聞いたら怒って私の頭を突いていたかもしれない。
だが、ポイニクスは私より先に楽園へと逝ってしまった。ポイニクスは楽園で元気にしているだろうか。きっと美しい羽を持つ鳥と一緒に炎のような翼で楽園の空を舞っているのだろう。一目でも見ることができれば――
いや、そんなことは望まない方が良い。望んでも、叶わないことはとうの昔から知っていることだ。
きっと私はポイニクスと同じ楽園には行けないだろう。なぜなら、私は妻と息子に表立って愛を伝えず、彼女たちと離れて暮らしていたからだ。
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