懐かれた……

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――彼らはポイニクスが死んだことを知っているのだろうか。  知らなければ、そもそも私にあんなに不安な目を向けはしない。ポイニクスを殺してしまっても、彼らには何の損失もない。あるのは私の情緒が不安定になるだけだ。  彼らからしたら好都合だったかもしれない。ポイニクスがいなくなってから仕事の量は増える一方だ。 「……少し、休むか」  私はソファを離れて寝室へ向かった。何も考えたくはなかった。 『ピンポーン』  ……そうだったな。確か今日、私の甥がここに来ると言っていた。  私は扉のドアノブから手を離し、部屋のドアノブに手をかけた。 「こんちわーっす。今大丈夫ですか?」 「あぁ、どうしたんだ。聞いていた時間とは大分早いが」 「実は学校で珍しい鳥を見つけて、そいつを追いかけてたら丁度このホテルの前で羽根を落っことしたモンなんで何かわかるかなーって思って来たんっすよ」  そう言って甥が渡してくれたのは、上着のポケットに大切に仕舞っていた遺品と同じ、炎のような赤い羽根だった。
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